下水道談合 福島県知事実弟を逮捕 競売入札妨害容疑「官製」疑い強まる

 福島県発注の下水道工事をめぐる談合事件で、東京地検特捜部は25日、新たに競売入札妨害(談合)容疑で同県の佐藤栄佐久知事の弟で衣料メーカー「郡山三東スーツ」(同県本宮町)の社長佐藤祐二容疑者(63)や同県元土木部長で県出資財団理事長も務めた坂本晃一容疑者(65)=福島市=ら3人を逮捕し、同県郡山市の祐二容疑者宅などを家宅捜索した。

 事件の逮捕者は6人となり、県関係者が関与した官製談合の疑いが強まった。特捜部は談合の全容解明を進め、祐二容疑者側と事件の端緒となった水谷建設三重県)や福島県発注のダム工事などを受注した前田建設工業(東京)との関係も追及するとみられる。佐藤知事本人の進退問題も浮上しそうだ。

 もう1人の逮捕者は、準大手ゼネコン東急建設(東京)の東北支店元副支店長門脇進容疑者(63)=仙台市青葉区
 調べによると、祐二容疑者と県が公共工事の設計、積算などを委託している財団法人福島県建設技術センターの理事長だった坂本容疑者らは「佐藤工業」(福島市)の会長佐藤勝三容疑者(67)=同容疑で逮捕=らと共謀。

 2004年8月20日に阿武隈川上流流域下水道整備工事(福島市内)の入札で、東急建設佐藤工業の建設共同企業体(JV)に落札させるため、ほかのJVが両社のJVより高い価格で入札するように協定した疑い。

 特捜部は25日、佐藤知事の支援者辻政雄容疑者(59)を競売入札妨害罪で起訴した。

■県民に大変心苦しい 佐藤栄佐久福島県知事コメント

 実弟が逮捕されたことについては県民の皆さまに対して大変心苦しく思っている。弟は決して事件にかかわっていないと思っていたが、このような事態となったことは大変残念で、今後の捜査を見守りたい。

=2006/09/26付 西日本新聞朝刊=

2006年09月26日01時38分
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/20060926/20060926_014.shtml