建設受注、11月も過去最低 民間投資の縮小に歯止めかからず

2010.12.27 15:18
 国土交通省が27日発表した11月の建設工事受注は前年同月比5・3%減の6714億円と6カ月連続で前年同月実績を下回った。リーマン・ショックの影響で、受注が激減した昨年の水準すら下回り、水準としては現行調査を始めた1985年以降では最悪となった。景気の足踏みを背景に、民間工事の投資が縮小を続けているためで、国内ゼネコン(総合建設会社)の苦しい実情が、改めて浮き彫りとなっている。
 受注の分野別では民間投資が2・5%減の4409億円。一方、公共工事は地方の工事が増えたことで10・4%増の1777億円ととなった。
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/101227/biz1012271519011-n1.htm

鹿島、高層ビルの施工ミス隠す 鉄骨にズレ、検査データ改ざん

2010/12/16 1:10
 大手ゼネコン、鹿島がJR大阪駅近くの21階建て高層ビルを建築する際、骨組みの鉄骨1本が傾き、3階部分で横に約7センチずれたにもかかわらず、そのまま工事を続けて完成させていたことが15日、同社への取材でわかった。設計会社側に渡すデータもミスがなかったように改ざんしていたという。

 鹿島は事実関係を認めたうえで「監督体制を見直したい」(広報室)としている。第三者機関の検査で安全性に問題ないことを確認したと説明している。

 鹿島によると、3階までに相当する高さ14メートルの鉄骨を数十本建てる際、1本が横に約7センチずれた。測量ミスのためずれに気付かず、現場の建築事務所長は工事途中で把握したが上司に報告しなかった。

 上に接合した鉄骨を逆方向に傾けて補正。補強工事はせず、建築確認申請の中間検査や完了検査の際に使うデータは、正しく組まれたように改ざんした。

 10月にインターネット上に情報が流れ、社内調査で鉄骨のずれを確認し、大阪市に事実関係を報告した。

 ビルは事務所や店舗向けのオフィスビルで、すでに完成、使用されている。鹿島は今後、補強工事をする方針という。
鹿島、高層ビルの施工ミス隠す 鉄骨にズレ、検査データ改ざん :日本経済新聞

耐震計算偽装:愛知・半田のホテル耐震偽装 県の過失、一転認めず−−名古屋高裁

 姉歯秀次・元1級建築士による耐震強度偽装事件に絡み、解体に追い込まれた愛知県半田市のビジネスホテル「センターワンホテル半田」が、建築確認審査をした県とホテル開業を指導したコンサルタント会社「総合経営研究所」(総研、東京都)などに約2億円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が29日、名古屋高裁であった。岡光民雄裁判長は「審査に注意義務違反はなかった」として県の過失を認めた1審名古屋地裁判決(09年2月)を変更し、県への国家賠償請求を棄却した。

 一方で判決は総研の監督義務違反を1審同様に認め、県と総研、総研の内河健所長の3者に約5700万円の賠償を命じた1審判決から賠償額を増額し、総研に約1億6000万円の賠償を命じた。

 控訴審では1審同様、県の注意義務の範囲が争点となった。判決は法令に定めのない事項を審査する場合には「故意または重過失による見逃しがない限り、注意義務違反は問われない」として、耐震強度不足を見抜けなかった点を「違反とはいえない」と判断した。

 また判決は設計業者を選定した総研の監督義務違反を認めた上、新たにホテル休業に伴う損害などを認定して賠償額を増額した。内河所長については「設計業者選定は個人の行為ではない」として賠償請求を退けた。

 愛知県などによると、行政側の責任を問う同種訴訟ではこれまで4地裁と大阪高裁で判決が出ているが、行政側の過失を認定したのは名古屋地裁だけだった。【高木香奈】

耐震偽装:損賠訴訟控訴審 行政の過失認めず 名古屋高裁
毎日新聞 2010年10月30日 東京朝刊

http://mainichi.jp/life/housing/news/20101030ddm041040050000c.html

建築士が確認証明書を偽造 長崎市が工事の停止命令

2010.9.8 23:26
 長崎市は8日、市内の老人福祉施設と賃貸マンションの建設工事に絡み、両方を設計した長崎県内の男性1級建築士が必要な建築確認申請をせずに、民間の指定確認検査機関の「確認済証」を偽造していたと発表した。建築士は「多忙で手が回らなかった」と認めており、市は建築基準法違反容疑での告発を含め県と協議する方針。

 長崎市は、同日付で老人福祉施設などの建築主と施工業者に工事の停止を命令。それぞれの建物の施工業者はこの建築士から偽の確認済証のコピーを渡されており、いずれも本物だと思っていたという。

 同建築士が設計し、偽の確認済証によって既に完成した建物の有無について、市は「確認は必要だが建築士本人はないと言っている。手続き上(見落としも)もありえない」としている。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100908/crm1009082327038-n1.htm

建築確認取り消し:介護施設で強度不足 検査機関が不備見逃す−−広島

 広島市西区で06年に着工された介護老人保健施設を巡り、民間検査機関「日本ERI」(本社・東京都)が05〜07年、建築計画の不備を見逃したまま、3回にわたって建築確認済証を出していたことが分かり、広島市は11日、建築確認を取り消した。同市によると、建物の耐震性を確保するための「構造計算書」と、建物の基礎や柱などの詳細を記した「構造図」が不整合で、通常の使用に耐える強度が確保されていなかった。耐震強度も不足し、施設開所のめどは立っていないという。厚生労働省によると、大規模な福祉施設で建築確認が取り消される事態は極めて異例。

 施設は医療法人ワカサ会(広島市)が計画。同市によると、構造計算書と構造図は設計会社のエナプラン(広島市)が手がけ、前田建設工業(東京都)と河井建設工業(広島市)の共同企業体(JV)が施工し、07年末の完成予定だった。ERIが05年8月に建築確認をした後、老健施設の基準改正に伴う設計変更があり、07年11月までに3回、改めて確認済証を出した。

 しかし09年7月、建築計画の不備を指摘する情報が同市に寄せられ、ERIに照会。建築確認をした3設計で強度不足があることを確認した。屋上を支えるはりで鉄筋の本数が足りないなどだった。建築基準法は、05年に全国で相次いだ耐震データ偽装事件を受けて改正され、検査が厳格化された。しかし今回の建設手続きは、法改正前に始まっていた。【矢追健介、寺岡俊、中里顕】

介護施設:強度不足で建築確認取り消し 検査機関が見逃す
毎日新聞 2010年6月12日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20100612ddm012040019000c.html

札幌耐震偽造:損賠訴訟 マンション代金返還、住友不動産に命じる−−札幌地裁

 札幌市の元2級建築士による耐震データ偽造問題で、強度不足が判明した札幌市中央区の分譲マンションの所有者14人が、販売会社の住友不動産(東京都新宿区)に売買契約の取り消しと代金返還など計約4億1000万円の支払いを求めた訴訟の判決が22日、札幌地裁であった。橋詰均裁判長は「購入者は建築基準法で定められた基本的性能は備わっていると思っていた」と認め、住友不動産に計約3億7000万円の支払いを命じた。

 判決によると、原告は02〜03年、元建築士が構造計算した15階建てのマンションを購入したが、06年の札幌市の調査で耐震基準の86%しかなかったことが判明。住友不動産側は「重大な欠陥とは言えない」と反論していた。

 原告側弁護士は「売買代金の全額返還が認められた。全面勝訴」と評価した。【久野華代】
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20100423ddm041040138000c.html

「都市再生機構」解体的見直しへ、国交相方針

 前原国土交通相は16日の閣議後の記者会見で、国交省が所管する独立行政法人都市再生機構(UR)について、「解体的に見直してもらう」と述べ、事業内容を抜本的に再検討する方針を明らかにした。


 23日に始まる「事業仕分け第2弾」でも対象の候補に挙がっており、第三者で作る有識者委員会で見直し内容を検討しているという。

 URは再開発事業や、URが保有する団地の管理、建て替えなどを手がけているが、一部の業務は民間と競合しているとの指摘もある。

(2010年4月16日17時31分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20100416-OYT1T00972.htm