福島県幹部、「談合システム」代々引き継ぐ

 福島県発注工事で、県土木部の有力OBがパイプ役となって、佐藤栄佐久知事の実弟、佐藤祐二容疑者(63)らが決めた落札予定業者を県幹部に伝え、県の指名業者に入れる仕組みが、県幹部に代々引き継がれていたことが関係者の話で分かった。東京地検特捜部は、祐二容疑者がこうした「官製談合」システムを利用し、受注調整を図っていたとみて調べている。

 特捜部の調べでは、祐二容疑者らの逮捕容疑となった2004年8月の下水道整備工事の談合では、元県土木部長の坂本晃一容疑者(65)が、中堅ゼネコン「東急建設」と地元建設大手「佐藤工業」の共同企業体(JV)が落札予定業者に決まったことを、当時の県土木部幹部に連絡。幹部は、入札参加業者を事前に絞り込む「予備指名」に、2社を含めるよう便宜を図っていたという。

 関係者によると、こうしたシステムは坂本容疑者がパイプ役になる前から存在し、2代前の土木部長で自宅の捜索を受けた江花亮・元部長(70)も退職後、祐二容疑者らとの連絡役を務めていたという。

 江花元部長は退職後の1995〜99年度、県の外郭団体「福島県建設技術センター」の理事長を務めた。江花理事長時代、県土木部にいた元幹部は「指名業者のリストを作る権限は担当課長にあったが、上司が江花理事長に判断を仰ぐと、リストの原案になかったゼネコンが追加され、指名競争入札で落札した」と話す。

(2006年9月27日3時5分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060927i401.htm