福島前知事13日に起訴 9億7千万円の収賄罪

 福島県発注のダム工事をめぐる汚職事件で、東京地検特捜部は11日、拘置期限の13日に収賄罪で前知事佐藤栄佐久容疑者(67)を起訴、実弟祐二容疑者(63)=競売入札妨害(談合)罪で起訴=を追起訴する方針を固めた。

 わいろが約9億7000万円の利益供与との認定は逮捕時と変わらない見通し。また収賄罪より刑の重い加重収賄罪での起訴を検討してきたが、適用は見送られる方向。両容疑者は調べに対し、既に収賄を認めているとされる。

 調べによると、知事だった栄佐久容疑者と衣料メーカーの郡山三東スーツ代表取締役を務める祐二容疑者は共謀。

 同県が2000年8月に実施した木戸ダム工事の入札で、前田建設工業が筆頭の建設共同企業体(JV)の落札に便宜を図った謝礼などとして、02年8−9月、三東スーツの工場の土地を水谷建設時価より高い約9億7000万円で買い取らせた疑い。前田側JVは約206億円で木戸ダム工事を受注した。

 加重収賄罪はわいろの見返りに不正行為をするなどしたケースで、特捜部は木戸ダム工事の談合に栄佐久容疑者が関与したとみて調べてきた。しかし、関与の状況が同罪に問うほどではないと判断したとみられる。

(2006/11/11 21:28 更新)
http://www.sakigake.jp/p/news/national.jsp?nid=2006111101000511