建築基準法:改正で9割「悪影響」

 2007年6月に改正建築基準法が施行され、建築確認件数が激減している問題で、県土木建築部建築指導課は21日までに、県内の建築関係者約1100人にアンケートを実施、回答を得た810人の結果を公表した。

建築確認件数や着工数が激減している原因として、約9割が建築基準法の改正による影響だと回答した。同課の担当者は「現状を認識して状況を打破するため、さらなる構造設計者の育成や図書省略大臣認定制度の普及などに取り組んでいく」と話した。

 建築確認件数や着工数の激減理由の内訳は「構造技術者不足」が39%と最も多く、次いで「確認審査機関の審査が遅い」と「改正建築基準法への対応設計に時間を要する」が各25%。「景気後退」は7%のみ。

 認定された構造で簡易な構造計算書で申請ができる図書省略大臣認定の第2段(3階建て以下鉄筋造)の活用について、「活用していきたい」が24%、「活用について今後検討する」が57%で約8割が活用に前向きだった。「使いづらく活用できない」が6%で、認定第1弾(2階建て以下鉄筋造)の31%と比べて大幅に少ない。構造計算が難しく申請に労力がかかっても、設計自由度の高い認定第2弾が使いやすいと考える関係者が多いことが分かる。

 調査は13−15日の図書省略認定説明会で参加者を対象に実施された。

 県は、構造計算の技術者不足の対策として、県主導で建築士を対象にした構造設計者育成に活用するテキストを作成している。テキストは4階建て以下の鉄筋造りなど図書省略制度が適用されない設計を中心に、一戸建てや共同住宅など4パターンを作成する。6月から研修会を行う予定。関係団体から意見を聴取した上で、6月19日に期限が切れる事前審査制度の延長も検討する。
琉球新報

2008年5月22日
http://mainichi.jp/area/okinawa/news/20080522rky00m040002000c.html