学校19施設、改築遅れ 建築確認厳格化が影響2008年5月20日

 改正建築基準法施行に伴う建築確認の厳格化の影響で、県教育委員会と41市町村の各教育委員会が2007年度に発注した施設改築工事で、19施設の着工に遅れが生じ、同年度中の完成を予定していた12施設が未完成となり、うち2施設では現在も未着工となっていることが、19日までに琉球新報社の調べで分かった。19施設のうち、2施設は07年度内に完成したが、08年度中の完成に向けて急ピッチで作業が進められている5施設でも工期内の完成が危ぶまれるなど、着工遅れの影響が出ている。
 改正法施行後に義務付けられた構造計算適合性判定(ピアチェック)の新基準で必要となる計算ソフトの整備不足などにより、一定規模以上の建造物の建築確認申請が滞ったことが影響した。学校現場では、体育の授業が予定通りに行えないなどの支障が出ているほか、発注元の県教委からは、工期の変更に伴う工事費の増加に対する懸念も出ている。
 予定していた07年度中に完成できず、未着工となっているのは宮古島市立西辺中学校の体育館と、多良間村立多良間小学校の管理棟。県立高校では知念、名護、久米島、美里の4校、中学校では羽地、白保の2校、小学校では真喜屋、久辺、西原、大原の4校の計12校の施設が、07年度末の完成予定に間に合わなかった。
 08年度内に完成が予定されている県立沖縄工業高校と久高小中学校の校舎、与那原町立与那原中学校本校舎の3施設も未着工となっており、工期内に間に合うか不透明な状況だ。
 予定通り完成したのは豊見城市立上田小学校校舎のみで、与那原中学校の仮校舎は、07年度内に完成したものの、予定より2カ月近く遅れた。
上原あやの)
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