佐久のマンション 強度不足と判明

県、週明けにも解体指導
強度を満たさないことがわかった「サンクレイド佐久平」 佐久市のJR佐久平駅前のマンション「サンクレイド佐久平」(49戸)で、鉄筋切断などの不正工事が見つかった問題で、県は11日、この建物が建築基準法で定められた強度を満たしていなかったと発表した。はりの強度を保つ「主筋」が切断されていたためで、県は週明けにも、施工した東武建設(本社・栃木県日光市)に解体を指導する。その後、同社では解体の準備を始める予定。

 同社と建築主のアーネストワン(本社・東京都西東京市)は3月下旬にそれぞれ、不正工事に関する調査報告書を県に提出した。

 県によると、主筋の切断は地下と2階の計4か所。主筋を補助する「あばら筋」の切断は50か所に上った。このため、建物の強度は「中規模の地震で建物にひび割れが生じない」という基準に達しておらず、建築基準法に違反していた。県は建築基準法に基づいて解体を命じる行政処分を下すこともできるが、東武建設が既に解体方針を決めていたため、指導にとどめるという。

 このマンションは5軒が契約済みで、うち2軒が入居していたが、すべて契約は解除。建物については、東武建設が先月末、アーネストワンから買い取ったという。

(2008年4月12日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nagano/news/20080411-OYT8T00771.htm