高岡市、コメリに建設中断命令…建築確認終えず店舗着工

 東証1部上場のホームセンター大手「コメリ」(新潟市)が、高岡市伏木古府元町に建設中の新店舗を、同市の建築確認を終えないまま、着工したことが5日、分かった。同市は4日、建築基準法違反の疑いがあるとして、同社と設計を担当した富山市内の設計事務所に対し、工事の中断と経緯の説明を命じた。

 コメリは、同町内の約3800平方メートルの敷地に、鉄骨平屋建て延べ床面積約1200平方メートルの店舗を計画。同市などによると、設計を担当した「山野建築設計事務所」(富山市住友町)は2月1日、同市に、着工に先立ち計画を審査する建築確認を申請。同市は着工予定日が2月20日で建築確認を終えるには日数が不足しているとして、再提出を指示した。同事務所では予定日を3月7日に改めて再提出した。

 コメリ側は当初、開店を3月下旬に予定し、同事務所は週1回ほど、高岡市役所を訪れ、確認を早くするよう要望したが、市は現在も確認中だ。

 一方、現場では2月上旬から造成工事が始まり、建物部分は今月に入り着工。同事務所は「着工しているとは知らず大変驚いている」と話した。コメリ秘書室は、「2月28日に設計士側から『もうすぐ確認が終わりそうだ』と話を聞き、現場の担当者が早まったようだ」と事実関係を認めた。

 建築基準法は、一定規模以上の建物を建てる際は、事前に県や市などに「建築確認申請」を行い、自治体側が、計画に不備がないか確認するよう定めている。昨年6月に同法が改正され、審査期間が21日から最大70日に延長され、確認が厳格化されたことなどから全国的に新規着工件数が減っている。

 コメリは45都道府県に887店を展開する。

(2008年3月6日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/toyama/news/20080306-OYT8T00118.htm