日本と米国、1.5%成長に減速へ・IMF見通し

 【ワシントン=小竹洋之】国際通貨基金IMF)は29日、最新の世界経済見通しを発表した。米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題を発端とする金融不安が響き、世界経済の減速感が強まったと指摘。2008年の実質経済成長率については日本と米国が1.5%にとどまり、世界全体では4.1%に鈍化すると予測した。

 IMFは昨年8月9日以降の金融不安が悪化し「市場の緊張が高まった」と強調。最近の世界同時株安にも触れ「不透明感が増している兆候だ」との認識を示した。

 日本の08年の成長率は昨年10月時点の前回見通しを0.2ポイント下方修正し、07年実績見込みの1.9%を下回ると予測した。建築基準の見直しで住宅着工が落ち込み、家計や企業の心理も悪化しているとの見方を示した。
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