国交省が建築確認審査緩和、住宅着工減で設計変更一部容認

 建築確認の審査を厳しくした改正建築基準法の施行後、住宅着工戸数が大幅に減少している問題を受けて、国土交通省は30日、安全性に影響しない設計変更は建築確認後でも認めるなど、審査を緩和することを決めた。冬柴国交相が同日の閣議後の記者会見で明らかにした。11月中旬にも同法の施行規則を改正し、実施する方針。


 改正法(6月20日施行)では、耐震偽装対策として申請時の添付書類を大幅に増やしたうえ、建物の構造、防火などにかかわる計画変更は原則として認めず、着工後の再申請は工事をストップした場合に限って認めていた。

 今回改正される施行規則では、構造や防火にかかわる設計部分についても、窓や扉の位置、間仕切りなど、構造上の性能などが低下しなければ、再申請を求めず、完成後の検査などでチェックすることにした。

 国交省によると、6月20日の改正法施行後、新設住宅着工戸数は7月が前年同月比23・4%減の8万1714戸となったのに続き、8月も同43・3%減の6万3076戸と1966年2月以来、約40年ぶりの低水準となっている。審査の厳格化で建築確認の手続きなどが遅れ、着工の減少につながったとの声が建築士らの間では強かった。

 国土交通省では、住宅着工戸数の今後の見通しについて、「着工後の軽微な変更がネックになって建設が進まないという声は強かった。どれだけ回復に効果があるかはわからないが、なるべく早く前年並みの数字に戻ってほしい」としている。
(2007年10月30日12時40分 読売新聞)
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