名古屋地下鉄談合

大成が「継続」会合招集
 名古屋市発注の地下鉄工事をめぐる談合事件で、大手ゼネコン4社の社長が談合決別を決めたわずか1週間後に、談合の強行を決定する会合を招集したのは、大成建設名古屋支店の営業幹部だったことが関係者の話で分かった。同社が談合継続に深く関与していたことが明らかになったのはこれが初めて。同社は地下鉄工事のトンネル部分の落札本命業者となることが談合で決まっていたが、入札が行われていないこともあって、大手4社の中で唯一、逮捕者が出ていない。

 名古屋地検特捜部も同様の事実を把握。同社が本命となった工事の入札は1年以上先となることが確実だったことから、同社営業幹部が決別決定により談合の枠組みが崩れるのを恐れて、会合の開催を呼び掛けたとみて調べている。

 関係者によると、2005年12月28日、大成建設の営業幹部から「ちょっと来てくれんか」と電話があり、談合調整の場となっていた大林組名古屋支店に、鹿島名古屋支店次長浜島哲郎(57)、清水建設名古屋支店元営業部長河島嘉(61)両容疑者=いずれも独占禁止法違反の疑いで逮捕=が集まった。

 大林組名古屋支店元副支店長=名古屋市下水道談合事件などで有罪確定=もおり、同元顧問柴田政宏容疑者(70)=独占禁止法違反の疑いで逮捕=も、ほんのわずかだが、顔を出したという。

 会合では、同月14日に談合で決めた地下鉄工事の落札本命共同企業体(JV)の枠組みについて話し合われた。その結果、鹿島と清水建設は翌06年2月に入札が行われる駅舎周辺の工区、大成建設大林組は07年春に入札すると予想されていたトンネル部分の工区について「これまで通りに」談合をすることが確認された。

 河島容疑者は特捜部の調べに「(会合は)年末のばたばたで忙しく、ほんのわずかな間だった。何を話したか覚えていない」と供述。柴田容疑者は「その場に行ったら部下がいたので帰った。(会合の)内容は知らない」と述べているという。
http://www.kenmin-fukui.co.jp/00/sya/20070318/mng_____sya_____003.shtml