談合容疑で森林部幹部立件へ、出納長と別ルート…宮崎

 宮崎県の官製談合事件で、競売入札妨害容疑で逮捕された県土木部幹部らが、今年7月に発注した別の橋梁(きょうりょう)設計業務を、ヤマト設計(本社・東京)に落札させるよう県環境森林部幹部に指示されたと供述していることがわかった。県警は、この業務の入札でも談合が行われていたとの疑いを強め、県環境森林部幹部らを同容疑で立件する方針を固めた。

 土木部幹部らは昨年11月に入札があった橋梁設計業務で、県出納長の江藤隆容疑者(63)からのルートでヤマト設計に落札させたとして逮捕されており、県警は江藤容疑者とは別ルートでも談合が行われていたとみて詰めの捜査を進めている。

 調べによると、新たに談合の疑いが持たれているのは県高岡土木事務所(宮崎市高岡町)発注の「河川激甚災害対策特別緊急事業」の橋梁詳細設計業務。7月20日の入札にはヤマト設計ら5社が参加し、同社が1280万円で落札した。

 この入札について、県土木部次長の柴岡博明容疑者(58)らは「環境森林部幹部から『ヤマト設計に業務を受注させてほしい』と言われたため、同社を指名業者に選定するなどした」と供述。さらに、同社社長の二本木(にほんぎ)由文容疑者(56)は「江藤容疑者に『仕事を下さい』と依頼したほか、環境森林部幹部に対してもお願いしたことがある」などと供述しているという。

 環境森林部幹部は以前に土木部に在籍、柴岡容疑者の上司だったことがある。

 これまでの捜査で、江藤容疑者が県土木部長藤本坦(ひろし)容疑者(59)に対し、ヤマト設計に業務を受注させるよう指示していたことがわかっている。江藤容疑者は「安藤忠恕(ただひろ)知事の意向を受け、談合を指示した」と供述しており、県警は環境森林部幹部と知事の関係についても調べを進めている。

 読売新聞のこれまでの取材に対し、環境森林部幹部は「官製談合の指示を受けたことはないし、談合自体あってはならない。業者からあいさつを受けただけでも怪しまれる。部屋に業者は入室させないようにしている」と話していた。
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/ne_06120252.htm