耐震偽装で免許取り消し 元一級建築士が撤回求め提訴 札幌地裁  2006/11/03 08:51

 浅沼良一・元二級建築士による耐震強度偽装問題で、一級建築士免許を取り消された札幌市の男性と、建築士事務所登録を取り消された、男性の所属していた事務所は二日までに、取り消しは違法として、国と道を相手取り、処分取り消しを求める訴訟を札幌地裁に起こした。

 訴えや国土交通省によると、元一級建築士の男性は、構造計算を浅沼氏に下請け発注し、十二棟の耐震強度のデータ偽装を見逃した。国交省は今年九月、一級建築士免許を取り消し、道は同月、元一級建築士が所属する建築事務所を登録取り消し処分とした。

 原告側は訴えの中で「旧建設省通知に基づけば、今回の違反内容では免許取り消しにならず、国交省の処分は裁量権の逸脱」と主張。国交省の処分に基づく道の処分も違法とした。

 国交省は「処分は建築士法に基づいており、当然のものと考えている」と話し、道は「国とも協議した上で対応を考えたい」としている。

 浅沼氏による耐震強度偽装問題では六人の一級建築士が処分され、免許取り消し処分は一人だけだった。
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20061103&j=0022&k=200611023424