耐震工事図面に誤り 三田の上野台中

2006/10/21
 三田市志手原の市立上野台中学校の校舎耐震補強工事で、実際とは異なった図面で耐震診断し、その診断に基づき、今夏に耐震補強工事が実施されたことが二十日、分かった。以前、改修工事で壁を取り除いたのに、壁があるものとして計算されていた。現状では、国の補助金を受けられる耐震基準を下回る恐れがあるため、市教委は再度耐震診断し、追加工事が必要かどうか調べる。

 校舎は一九七五年築。鉄筋コンクリート造り四階建て延べ床面積約三千二百平方メートル。九三年に二カ所の壁を取り除くなどの改修工事をしている。

 市教委は二〇〇四年に大阪市内の設計会社に耐震診断を委託し、それに基づき、耐震補強工事の実施を決定。引き続き、工事の設計も同社が担当した。その設計では、文部科学省が工事費の一部を補助する際の条件とする「構造耐震指標0・70以上」を満たし、0・76だったという。

 ところが今年二月、市教委が着工前の現地調査をした際、設計図では壁があるとされていた一階保健室に壁がないことに気付いた。同社に再調査させた結果、構造耐震指標は0・71だったため、そのまま今年六月、耐震工事に入った。

 しかし、工事中の今年十月、外部からの指摘で一階部分にもう一カ所、実際には壁のない部分を確認。二カ所とも九三年の改修で壁が取り除かれた部分だった。

 市教委は「業者の設計ミスを見落とした」としている。市教委は、今回の施工業者とは別の第三者機関にも、耐震診断を依頼する予定。

http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sg/0000145268.shtml