金融庁、三井住友海上を処分 医療保険など無期限販売停止


 金融庁は21日、三井住友海上火災保険に対し、医療保険など第三分野商品の販売を無期限、すべての保険商品の販売も2週間、全店で7月10日から停止を命じる厳重処分を発表した。不適切な保険金の不払いが大量にみつかったため。取扱商品の一部とはいえ、無期限の販売停止処分は初めて。同庁は三井住友海上の内部管理体制を問題視し、改善が確認されるまで新商品認可を1年間凍結や、海外拠点の法令違反発覚したため新規開設を3カ月間停止する。

 三井住友海上は平成14年度から4年間で、第三分野商品にかかわる保険金不払いが927件(1億6600万円)、うち終身医療保険で305件あった。終身医療保険では不払い件数に占める不適切な割合が14.8%に達し、保険金不払いで新商品認可の無期限停止処分を受けた明治安田生命保険の同割合(2.6%)を大幅に上回った。

 三井住友海上は昨年11月、自動車保険特約部分で約2万7000件(約19億4000万円)の不払い発覚で業務改善命令を受けたが、今回再調査で1万7296件(7億1910万円)の支払い漏れも判明した。

 金融庁は「保険業務の基本ができていない深刻な問題」と事態を重く見て前例のない厳しい処分に踏み切り、責任の所在の明確化を含む改善計画を7月21日までに提出するよう求めた。

(06/21 20:45)

産経ニュース