三菱地所 強度に問題、販売中止 札幌で建設中マンション  2006/04/20 14:14

 三菱地所(東京)は二十日、札幌市内で建設中だった分譲マンションについて販売を中止し、すでに契約済みで七月下旬に入居予定だった顧客との契約解除を申し入れていると公表した。販売中止の理由について「構造計算が社内基準に合わず、総合的に判断した」(広報部)と耐震強度の問題も理由に挙げている。

 このマンションは札幌市中央区南四西二一の「パークハウス円山桜スクエア」(地下一階地上十一階、二十戸)。三菱地所が開発し、東亜建設工業(東京)が施工。札幌市内の設計事務所が構造設計を請け負った。

 すでに六戸と売買契約を結んでいたが今月十五日から個別に契約解除を申し入れ、マンション建設も中断している。

 一連の耐震偽装問題を受け、構造計算書の再計算を民間の日本ERIに依頼し、建築基準法の耐震基準を満たしているとの報告を受けたが、三菱地所が再計算し直したところ「構造における計算上の考え方で社内基準に合わない部分があった」(広報部)という。

 札幌市や小樽市でかかわったマンションで偽装や耐震強度不足が明らかになっている浅沼良一・二級建築士(47)が構造計算を行ったかどうかについては「公表しない」としている。
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20060420&j=0022&k=200604201419