アルクイン黒崎 検査機関を提訴へ 偽装見逃しの責任追及

 姉歯秀次元1級建築士による耐震強度偽装があった北九州市八幡西区のビジネスホテル「アルクイン黒崎」の運営会社「菅原不動産」(菅原康夫社長)と市が17日会見し、ホテルの改修工事と検査が終了し、18日営業再開すると発表した。菅原不動産は構造計算書を確認した民間検査機関「日本ERI」(東京)に損害賠償を求めて、週内にも提訴する方針を明らかにした。

 ホテルは耐震強度の偽装発覚後、昨年11月末から自主休業。1月から1階の壁を耐震壁に取り換えるなど補強工事を行った。市は今月14日に完了検査をし、強度の基準を満たしていることを確認したという。

 同社によると、改修費用は1億2250万円。休業による損失と合わせた損害額は約2億4000万円に上るが、施工した木村建設などは破産して賠償は困難とみられるため、「なぜ検査で(偽装が)見つからなかったのか」としてERIの責任追及に踏み切った。

 菅原社長は「木村建設や(資格を取り消された)姉歯建築士は制裁を受けたのに、検査機関に何もないのは理解できない。ERIに何度も事情説明を求めたが1度も答えない」とした上で「明確な請求額はこれから詰める」と話した。
=2006/04/18付 西日本新聞朝刊=
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/20060418/20060418_003.shtml