偽装確認の5棟 4棟で基準下回る 最低は0・73 札幌市が耐震再検査  2006/03/25 07:10

 浅沼良一・2級建築士(47)による耐震強度偽装問題をめぐり、同建築士が偽装を認めたマンション33棟のうち、札幌市が偽装と確認した5棟についての再検査結果がまとまり、うち4棟で国の基準1・0を下回り、いずれも0・7台で、最低数値は0・73だったことが24日、分かった。同市は27日の市議会建設常任委員会で公表する。

 五棟の再検査の数値は、一棟が一・○二と基準を上回ったが、ほかの二棟は○・七三、○・七五、残り二棟はともに○・七七だった。五棟は二○○一年から○二年にかけて、同市が建築確認した分譲マンションだという。

 同市は、三十三棟のうち、市で建築確認した十六棟中六棟を日本建築構造技術者協会(JSCA)北海道支部に委託し、同建築士が用いた水平方向の揺れに対する強度を測る「許容応力度等計算」での再検査を実施。中間速報値は六棟中一棟が一・○を超え、偽装がなかったことを確認。このほかの五棟の数値は○・七三から一・○未満で、市はさらに検証を行っていた。偽装がなかった一棟も再検査の結果、一・○一となり、基準を上回った。

 今後、同市はマンション四棟の管理組合と建築主に事実を通知、地震の揺れによる建物の変形を考慮した別の計算式「限界耐力計算」による再度の検査を命令する。再び一・○を切った場合には耐震改修を命令するが、いずれも一・○を上回る可能性は低いとみられる。

 このほかの十棟と、民間検査機関が建築確認した十七棟の再検査の結果判明は、外部機関の作業に時間がかかっており、全三十三棟の結果判明は四月末にずれ込む見通し。
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20060325&j=0022&k=200603254233