札幌の耐震強度偽装埼玉の事務所も改ざん無資格でデータ計算

 
 札幌市のマンションの構造計算を担当していた埼玉県内の設計事務所が、マンション二棟の構造計算書のデータの一部を改ざんしていたことが発覚、マンションの建設が中断していることが十六日、分かった。

 この事務所は建築士資格を持たない男性が中心となって構造計算を行っていたことも分かり、市都市局は建築士法違反の可能性もあるとみて詳しく調べる。男性は過去十数年で札幌市を中心に道内で約百棟のマンションの構造計算にかかわっていたが、同市によると、これまでのところ二棟以外では問題はみつかっていないという。

 改ざんが見つかったのは札幌市の不動産仲介業者が建設中の賃貸マンションと、住友不動産(東京)が建設中の分譲マンション。

 札幌市は二棟とも最終的に耐震強度が基準値の一・〇を満たしていることを確認、国土交通省と協議し建築基準法違反はないと判断した。しかし住友不動産は強度に疑問が生じたとして販売を中止している。

 二棟とも姉歯秀次一級建築士による耐震強度偽装問題を受け、建築確認をした民間検査機関日本ERIが再計算したところ、一部でデータを差し替えた形跡が見つかった。報告を受けた市が事務所に確認したところ「仕事が立て込んで、計算の一部を省いてしまった」と改ざんを認めたという。
http://www.saitama-np.co.jp/news03/17/23x.html