3階建て木造住宅、「長期優良」でも倒壊──防災研が実験、震度6強に耐えず?

2009/10/28配信
 防災科学技術研究所などは27日、大型震動台「E―ディフェンス」を使って3階建て木造住宅を揺らし、耐震性を試す実験を実施した。その結果、震度6強で、揺れに耐えると考えられた「長期優良住宅」の基準を満たす住宅が倒壊。実験を指揮した東京都市大学の大橋好光教授は「基準に問題はない」としているが、3階建て住宅の増加もあり、同研究所は設計上の課題などを探る。

 実験では同じ設計の木造3階建て住宅を2棟使用。1棟は「耐震等級2」を満たす長期優良住宅。もう1棟は柱の接合部のみを弱くしてあり、同等級を満たさない。

 2棟を並べて耐震基準の1.8倍、震度6強相当の人工地震波で約20秒間揺らした。実験した住宅はともに耐震基準の1.44倍に耐える設計だが、実際には余裕を持たせて建築しているため揺れを上乗せした。

 その結果、長期優良住宅は揺れ終わる間際に壁が崩れ横転するように倒れた。計画では、ぎりぎり倒れないはずだった。もう一方は揺れ始めて約10秒後に柱の接合部が壊れたが、完全には倒壊しなかった。
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