耐震偽装、福岡の建築士免許取り消し 姉歯事件処分終結2009年6月23日19時47分

 耐震強度を偽装したと福岡市などから指摘されていた福岡県太宰府市の設計会社サムシング(02年廃業)をめぐり、国土交通省は23日までに、同社の仲盛昭二社長の1級建築士の免許を取り消した。処分は19日付。同社が手がけた物件のうち、少なくとも20件で構造計算書の作成が不適切だったと認定した。

 姉歯秀次元1級建築士による耐震偽装事件に絡み、木村建設が施工した物件を調べる中でサムシングが浮上していた。

 今回の処分で、一連の耐震偽装事件に絡んで疑惑が持たれた構造計算書を手がける建築士への調査と処分はおおむね終結した。

 国交省によると、サムシングは1万件以上の構造計算を受注しており、このうち622物件を抽出して、設計に不審な点がないか同省などが調査を進めていた。その結果、57物件の構造計算書に不備が見つかり、福岡県と佐賀県のマンションなど計20件で構造計算の入力データと出力データが異なる「差し替え」があったと認定した。不適切な構造計算書には仲盛社長の署名や押印があり、同省は社長が不適切な設計に関与していたと判断した。
http://www.asahi.com/national/update/0623/TKY200906230195.html