談合の次は改竄…栗本鉄工所の体質批判

2007.11.21 23:19
 記者会見に臨んだ横内誠三社長は「安全性に問題ない」と繰り返したが、本来あるべき鉄板の厚みが足りないため、長期的な影響は不明のまま。今も高速道路の中に型枠は埋め込まれたままで、しかもどこに埋められているかも不明。

 同社は橋梁(きようりよう)談合や水門談合を繰り返してきただけに企業風土が厳しく問われている。

 記者会見は午後4時から大阪市西区の栗本鉄工所本社で横内社長ら会社幹部4人が出席し、淡々と経緯を説明した。

 データ変造は今月6日にマスコミから指摘を受けて「初めて知った」とし、その後の社内OBも含めた社員への聞き取り調査では、データの改竄は昭和40年前後から現在まで、板厚の偽装については遅くとも平成7年から最近までと、長期にわたって行われていたと説明した。

 データ改竄については「円筒型枠そのものが主要構造物ではないので、軽く見ていたのではないか」と推測。カタログの板厚よりも薄い鉄板を使用していた偽装については「納期に間に合わせるために行ったのではないか」とした。

 また、現段階の調査では誰の指示で改竄や偽装が行われていたかは不明としたうえで、「ヒアリングで、改竄や偽装を認識していたという社員がいることもわかった」という。

 横内社長は「橋梁談合や水門談合など不祥事を繰り返し、再発防止に努めてきただけに残念。会社の常識は社会の非常識と強く感じた」と自社の体質を批判。しかし、「いろいろ責任の取り方はあると思うが、まずは現経営陣で一日も早く体制を正常で強いものにすることが大事」と、現時点で辞職の意思がないことを明らかにした。

 会見中、横内社長と出席した他の幹部との説明や見解が食い違うこともしばしば。最後に横内社長が「高速道路をご利用の皆様や道路各社、国交省など関係者の方にご心配とご迷惑をかけ深くおわびしたい」と謝罪したが、会見場にはしらけた雰囲気が漂った。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/071121/crm0711212317038-n1.htm