耐震強度不足:マンション構造計算書の情報請求、大津市が非公開通知 /滋賀

11月16日16時0分配信 毎日新聞
 ◇「他住民に不利益」
 大津市中心部の10階建てマンションで6月に耐震強度不足疑惑が浮上した問題で、住民の1人が同マンションの構造計算書などを情報公開請求し、同市が非公開としたことが15日、分かった。市建築指導課は「他の住民の利益を害する恐れのため」と説明したが、市条例は「個人の利益を侵害する恐れのある情報でも、生命や財産の保護に必要なら公開しなければならない」と規定。しかし、同課は「(耐震強度不足疑惑は)それに当たらない」としている。
 同マンションは、国交省が全国のマンションを対象にした調査で6月、耐震強度を示す「保有水平耐力」が構造計算で基準の1を下回る0・95であることが発覚。市は具体的根拠を示さずに「支障なし」と主張し、住民説明会が紛糾していた。
 取材に対し、同課は保有水平耐力などの調査結果については「コメントしない」とする一方、「耐震性に問題はなく、生命や財産に危険を及ぼすものではない」と従来の主張を繰り返した。
 今回の公開の是非を巡り、市内部で市政情報課は「耐震性に関する情報は市民にとって知る必要性が高く、公益性が認められる」としたが、決定権を持つ建築指導課が非公開を決めたという。
 請求した住民は「自分たちの住む場所の情報が公開されないのはおかしい」と反論し、不服申し立ても検討している。【豊田将志、近藤希実】

11月16日朝刊
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071116-00000268-mailo-l25