姉歯物件・グランドベイ横浜、市の確認ミスで強度低下判明

 元1級建築士姉歯秀次被告による耐震強度偽装物件の「グランドベイ横浜」(横浜市鶴見区、10階建て)について、横浜市は16日、これまで63%としていた耐震強度がさらに下回る可能性が高いと発表した。

 偽装発覚後、市から再計算を指示された施工業者が、正確な計算に必要な完成後の「竣工(しゅんこう)図」でなく、工事中の図面を基にしたため、建物の荷重を実際より約485トン少なく見積もって計算したという。

 市は2005年12月、この業者の報告を基に再計算結果を発表したが、住民側が依頼した設計事務所の調査で、耐震強度が過大に見積もられているとの指摘があり、市が今月から強度の再検証を進めていた。

 市は「竣工図での計算と思い込んでいた。業者側に確認しなかったのはミスだった」としているが、耐震壁などの強度を最低に見積もった場合でも、強度は53%以上で、建て替え対象となる50%を下回る恐れはないと説明している。

(2007年6月16日20時56分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070616i212.htm