戸建て分譲の「一建設」、強度不足新たに588棟

 東京都練馬区の戸建て分譲会社「一(はじめ)建設」が販売した住宅に耐震強度不足が見つかった問題で、すでに判明している681棟に加え、新たに588棟で強度不足が確認されていたことがわかった。

 同社は昨年6月の公表時、過去に分譲した2万7000棟の「全棟を調査した」と説明していたが、実際は3割程度の抽出調査しか行っておらず、問い合わせてきた購入者にも虚偽の説明をしていた。

 同社は昨年6月、耐震強度偽装事件を受けて実施した自主調査の結果、2000年6月以降に分譲した2階建て木造住宅のうち、外部の建築士に設計を委託した681棟の設計にミスがあったと公表した。

 同社は、この際、報道機関の取材に「全棟を調査した」と説明。電話などで問い合わせてきた681棟以外の購入者にも、「今までに当社から連絡がないのなら問題がないと考えてほしい」と話していた。

 ところが、実際は、問題が見つかった特定の建築士の設計物件を中心に限定的な調査を行っただけで、その時点で7割は未調査だったのに、「残りは安全」としていた。その後、内部から問題を指摘する声が上がり、昨年7月以降、未調査物件についても調査を実施。新たに588棟に同様の問題点があることが判明し、今年2月に国土交通省に追加報告していた。

 読売新聞の取材に、同社は「誤解を招く説明があった。結果として申し訳ない」と話している。国交省では、「不誠実な対応だ」としている。

(2007年3月30日3時3分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070330i401.htm?from=main4