宮崎官製談合で逮捕の設計会社社長、「支援やめる」と知事に受注迫る

 宮崎県発注の橋梁(きょうりょう)設計業務を巡る官製談合事件で、競売入札妨害容疑で逮捕されたヤマト設計(本社・東京)社長、二本木(にほんぎ)由文容疑者(56)が、安藤忠恕(ただひろ)知事(65)と面会した際、知事陣営からの撤退をほのめかして県発注の設計業務の受注を求めた、と供述していることがわかった。

 面会の約束は、知事の後援会幹部を通じて取り付けており、県警は、二本木容疑者の知事陣営からの撤退示唆が事件の背景にあるとみて、一連の経緯を調べている。

 これまでの調べでは、二本木容疑者は安藤知事の有力支援者。知事が2003年7月に初当選した後、二本木容疑者は選挙で支援した見返りを求め、昨年春以降、後援会幹部を通じて知事への面会を要求。後援会幹部から連絡を受けた秘書が、面会の場を設定したとみられる。

 その際、二本木容疑者はヤマト設計の業績が伸び悩んでいることを強調したうえ、「受注できなければ、私たちは引くしかないですね」などと知事陣営からの撤退をほのめかして県発注業務の受注を迫った。ヤマト設計はその後、05年には逮捕容疑の橋梁設計業務を含め9件(総額5831万円)の受注に成功している。

 安藤知事は二本木容疑者との関係について、17日の読売新聞の取材に対し、「(二本木容疑者が)業者という認識はなく、県とのかかわりがあるかどうかも知らなかった。働きかけや要請はなかった」と否定していた。しかし、20日の県議会全員協議会では「(二本木容疑者を紹介された)03〜04年ごろ、よく電話がかかってきた。受注のことを言ってきたので、『そういうことを知事に直接言うものじゃない。犯罪をせえというこっちゃろうもん。希望があるならそれぞれの部局に行きなさい』と言った」と説明し、二本木容疑者からの受注要求を認めた。
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/ne_06112203.htm