県知事、就任直後に工事公告の中止要求…宮崎談合

 宮崎県の官製談合事件に関与したとの疑惑が浮上している安藤忠恕(ただひろ)知事(65)が2003年8月の知事就任直後、当時の土木部幹部に対し、入札参加業者の募集を公告していた県土木部発注の数件の大型工事について、公告を止めるように要請していたことが、複数の関係者の証言でわかった。

土木部幹部が拒んだところ、知事は要請から約2週間後に人事異動を発令、土木部幹部を外郭団体に異動させた。関係者は「入札に介入しようとしたのかもしれない」と話している。

 宮崎県では、予定価格が一定額以上の工事について、入札参加を希望した業者の施工能力や工事実績を事前に審査し、入札に参加させるかどうかを決める「条件付き一般競争入札」制度を導入。当時は予定価格2億円以上、現在は原則1億円以上の工事が対象になっている。入札日から少なくとも40日前には、入札に参加する業者の募集や、工事の概要などを庁舎掲示板やホームページで公告している。

 関係者によると、安藤知事は03年7月27日の知事選で初当選し、8月5日付で就任した後の同月中旬、公告していた土木部発注工事のうち、条件付き一般競争入札について「8月いっぱい、公告を止めてくれないか」と、土木部幹部に要請した。幹部は「すでに入札日時を特定して公開しており、取り下げはできない」と拒み、要請を断ったという。

 関係者は「知事は理由を説明しなかったので、真意は分からないが、公告を止めることなど極めて異例で、入札行政に混乱を起こす。土木部幹部が拒否したのは当然」と話している。
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/ne_06112402.htm