藤田被告に懲役2年求刑

2006/09/15 19:18
 耐震強度偽装を見逃した確認検査機関イーホームズ(東京)の架空増資事件で、電磁的公正証書原本不実記録・同供用の罪に問われた同社社長藤田東吾被告(45)の論告求刑公判が15日、東京地裁(青柳勤裁判長)で開かれ、検察側は懲役2年を求刑した。弁護側は最終弁論で寛大な刑を求めて公判は結審、判決言い渡しは10月18日。

 論告で検察側は「確認検査機関の指定を受けるためという動機は悪質。利益優先で安全を軽視し、不十分な態勢のまま業務を拡大したことが、多くの偽装物件見逃しにつながった」と指摘した。

 藤田被告は最終意見陳述で「多くの人に迷惑を掛けたのは申し訳ないが、架空増資と耐震偽装の見逃しとはまったく関係ない」と述べた。

 起訴状によると、藤田被告は2001年10月、国土交通省から確認検査機関の指定を受けるため、イーホームズの元監査役から借りるなどした2700万円を“見せ金”にし、同社の資本金を約5000万円に増資したと虚偽を登記した。

 同社は元1級建築士姉歯秀次被告(49)=建築基準法(構造耐力)違反などの罪で起訴=の偽装物件99件のうち37件に建築確認を出していたことが判明。同省は今年5月、同社の確認検査機関の指定を取り消し、同社は廃業した。
http://www.kobe-np.co.jp/kyodonews/news/0000113510.shtml