ヒューザーの損賠訴訟、建築確認2社が争う姿勢

 耐震強度偽装事件を巡り、偽装マンションを分譲したヒューザー(東京・大田、破産手続き中)が、構造計算書の偽造を見落とされ損害を被ったとして、建築確認したイーホームズ(同・新宿)と日本ERI(同・港)の2社に計約6億円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が21日、東京地裁(松井英隆裁判長)であった。イーホームズと日本ERI側はいずれも争う姿勢を示し、請求棄却を求めた。

 訴状でヒューザーは、2社が建築確認で耐震強度不足を見過ごして確認済証を交付し、「職務上の注意義務を怠った」と主張。一方、イーホームズ答弁書で「建築確認に過失はなかった」などと反論、日本ERIは「過失の立証について原告側は具体的事実を示していない」と指摘した。

 ヒューザーは今年1月、名誉棄損を理由にイーホームズをいったん提訴したが、5月末に強度不足見落としの過失を理由に、改めて提訴。同社に約5億円、日本ERIには約1億円の支払いをそれぞれ請求している。 (14:01)
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