鹿島など受注謝礼で9億円・東京国税局、所得隠し6億円

 武田薬品工業の工場建設に絡み、大手ゼネコン鹿島など受注業者数社が、計約9億円のリベートを武田の元役員の知人が運営に関与する会社に支払い、業務委託費などの名目で経費に計上していたことが4日、関係者の話で分かった。東京国税局は工事を継続して受注するための資金提供で、受注業者側の交際費に当たると認定。鹿島が負担した約6億円のリベート全額を所得隠しと指摘したとみられる。

 同国税局は鹿島などに重加算税を含め計数億円を追徴課税したもようだ。

 関係者によると、鹿島は03―04年ごろ、山口県光市の武田の工場建設を受注。その後、鹿島など受注業者数社が、武田の元役員の知人が関与する会社に業務委託費名目などで総額約9億円を提供。提供資金は今後も工事を受注するためのリベートで、鹿島は約6億円を負担したという。

 鹿島は「税務についてはお答えできない」としている。 (13:00)
経済、株価、ビジネス、政治のニュース:日経電子版