姉歯被告、97年から偽装…東京・中央区のマンション

 耐震強度偽装事件で、元1級建築士姉歯秀次被告(48)が、国会証人喚問で「最初に構造計算書を改ざんした」と証言していた1998年の1年前に、東京都中央区内の分譲マンションで改ざんを行っていたことが7日、警視庁などの合同捜査本部の調べでわかった。

 捜査本部は、国土交通省を通じて区に対し、このマンションの耐震強度を再計算するよう要請した。

 姉歯被告は昨年12月の衆院国土交通委員会の証人喚問で、「木村建設」(熊本県八代市)側から鉄筋を減らすよう圧力を受けて、98年に初めて大田区のマンションの強度を偽装したと証言した。

 しかし、捜査本部が調べたところ、実際はこれより約1年前に建築確認が出た中央区の分譲マンションで、構造計算書を改ざんしていたことが判明。このマンションの施工は木村建設ではなかった。

 これより前の物件では偽装が確認されていないことから、捜査本部では、姉歯被告がこのマンションで初めて偽装を行ったと見て、強度不足を検証で確認し、議院証言法違反(偽証)容疑で立件する方針だ。

 これまでの調べに対し、姉歯被告は「入退院を繰り返す妻のために金が必要だった」などと偽装を始めた動機を供述しており、捜査本部では、98年ごろの姉歯被告の経済状況などについても調べを進める。

(2006年6月7日14時57分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060607i407.htm