機関申請時、確認検査員の“名義借り”…イーホームズ

 民間の指定確認検査機関「イーホームズ」が、国土交通省から検査機関の指定を受ける際、確認検査をするために必要な「確認検査員」について、社外の国家資格保持者の名義を借りていたことが東京地検の調べで分かった。

 また同社社長・藤田東吾容疑者(44)は、自社の内部監査で耐震偽装を発見し国交省に通報したように見せかけるため、内部監査書類の日付を偽造していたことも判明した。

 同地検の調べなどによると、イーホームズは2001年11月、国交省に検査機関の申請をし、12月に指定を受けた。

 この際、「建築基準適合判定資格者」の国家資格を持つ2人以上の確認検査員が必要だったが、社内に資格保持者がいなかったため、社外の保持者3人に頼み、名義を借りて申請していた。

 検査を補助する補助員についても同社従業員5人を登録していたが、登録時に本人の了解を得ていたのは1人だけで、他は勝手に登録していた。

 また同社は昨年10月26日、最初に国交省に偽装の事実を通報したが、実際に偽装を発見したのは、同社が建築確認をした東京都足立区のマンションの構造計算を再チェックした「アトラス設計」(東京都渋谷区)だった。

 だが藤田容疑者はアトラス設計の代表者から指摘を受けた際、アトラス設計が問題を公表しないように要求。アトラス設計から指摘を受けた数日前に、イーホームズが内部監査で偽装を発見したかのように、日付を偽装した藤田容疑者名の内部監査書類を作成していたという。

 さらに、藤田容疑者が1999年にイーホームズを設立した際の資本金1000万円も「見せ金」だったという。01年の見せ金増資の際と同様、司法書士がこの1000万円を貸していた。

(2006年5月17日23時58分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060517it15.htm