“非姉歯”マンションなど12件で強度不足疑い〜国交省抽出調査

 耐震強度偽装事件を受け、国土交通省が、姉歯・元1級建築士らが関与していないマンションなど103件について構造計算書を検証したところ、少なくとも12件で、強度が建築基準法の基準を下回る疑いがあることが24日、わかった。

 いずれも国指定の民間指定確認検査機関が建築確認をしていたが、再計算の結果、強度が暫定値で、基準の60〜90%しかなかった。

 国交省が、国指定機関50機関が建築確認をしたマンションなど約500件を無作為に抽出。このうち計算上の強度が基準ぎりぎりの100〜110%の物件103件について、耐震強度国交省所管団体「日本建築防災協会」で再検証した。

 この結果、12機関の12件の強度が、暫定的な数値で60〜90%台しかないことが判明。いずれも偽装ではなく、計算間違いや、構造計算書の数値を設計図に写す際の転記ミスなどの可能性が高いという。

 国交省では、今後、検査機関や担当の自治体に連絡し、設計者から事情を聞く予定。強度不足が確定すれば、建築士や検査機関に対する厳しい処分を検討している。
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/ne_06042505.htm