耐震強度、基準の3割 御殿場・小山RDF施設

 御殿場市小山町広域行政組合が運営するごみ固形燃料化施設「御殿場・小山RDFセンター」の建築構造計算に姉歯秀次一級建築士が関与していた問題で、構造計算の調査結果について組合側は28日、工場棟の耐震強度は、富士山側の壁面方向(短辺)の耐力の最小値が基準の0・310、側面方向(長辺)の耐力の最小値が基準の0・466だったと発表した。
 姉歯建築士がかかわった物件の中で、公共施設の強度不足が判明したのは初めて。
 調査では、構造計算書と構造図面に重大な不整合があったことが明らかになった。姉歯建築士の構造計算書に偽装はなく、計算書から図面に起こす段階で強度が少なく作成されていたという。設計・施工したフジタなど共同企業体は「不手際があった」と説明しているという。
 強度不足の要因として筋交いが細く、外壁に重量の重い材料を使用したことなどを挙げた。特に鉄筋の一部については、計算書では48本使用するという前提で計算されていたが、実際は14本しか使っていなかったという。
 組合は施設利用者や職員の安全確保とごみの搬入・処理を滞らせないため、共同企業体に強度不足を補うための応急補強工事を28日夕方から実施するよう指示した。工事は4月2日をめどに完了するとしたが、運転再開のめどは分からないとした。
 7階ある工場棟のうち短辺方向の耐力の最小値は5階、長辺方向は6階の数値。1階の長辺方向の耐力が1・121だった以外、各階とも0・310から0・743の範囲で建築基準法の基準を下回っていた。耐力は0・5以下では震度5強で倒壊の恐れがあるとされる。
 同時に調べていた管理棟の耐震強度については問題ないとした。
 調査は県建築確認検査室の指導により、第三者機関の県建築士事務所協会に委託し、構造計算書や図面などを基に行われた。調査結果を県建築確認検査室に提出し、28日、県から最終結果が示された。
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