住友不、札幌のマンション2棟販売中止・「耐震性に不安」

 住友不動産が札幌市で建設中の分譲マンション2棟の販売を「耐震性に不安がある」として中止し、契約済みの顧客と解約手続きを進めていることが5日分かった。

 販売を中止したのは同市豊平区の「シティハウス福住公園通」(15階建て、51戸)と同西区の「パークスクエア発寒駅前メイプルサイド」(15階建て、149戸)。

 同社は姉歯秀次・元1級建築士による構造計算書の偽造問題を受け、大手設計会社に全国の自社物件について再検査を依頼している。札幌の2棟について2月中旬に出された中間報告で「建築基準法の要件は満たし偽装はないが(十分な耐震性を確保するには)配慮不足がある」との指摘を受けたという。

 検査は継続中で、住友不動産は最終報告を受け販売を続けるか、補強工事を実施するかを判断する方針。ただ「福住公園通」は4月、「発寒駅前」は10月の入居予定で、「検査の結論が出るまでまだ時間がかかり、顧客に迷惑をかけると判断し解約をお願いした」(広報部)としている。 (18:35)
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