偽造への関与否定 ホテル施工の窪田建設が会見

更新:2005-11-29 6:01

 姉歯建築設計事務所(千葉県)の耐震強度偽造問題で、同事務所が構造計算したホテルの施工を請け負った駒ケ根市の窪田建設(窪田雅則社長)は28日、同市で記者会見し、同事務所との関係や偽造への関与を否定した。しかし、自社で施工した建物に構造上の疑いが生じている以上法的な責任を果たす―として、補修工事が必要になれば自社責任で行う意思を示した。その上で、損害については賠償請求していく方針を明らかにした。

 会見で同社は、ホテル経営のコンサルタント総合経営研究所(東京都)を通じて2000年、カントリーホテル高山岐阜県)の建設を請け負った。翌年、エースイン松本松本市)で下請け会社として、パークイン平塚(神奈川県)では建設共同企業体(JV)の一員として建設に携わった。

 いずれも姉歯事務所が構造計算を行っているが、同研究所が監理設計を委託した平成設計(東京都)の外注で、(窪田建設の)直接の関与はない―とした。さらに、「施工業者は一般的に計算書を見ることはなく、平成設計の監理もとても厳しいものだった。現場の代理人にも聞いたが、『見た目で鉄筋の数が少ないと思ったことはなかった』と言っていた」と述べた。

 営業を休止している3つのホテルのうち、カントリーホテル高山は、窪田社長が自ら社長を務める東日本ホテルシステムズ(松本市)が経営。データの改ざんは認められていないが、営業を休止し耐震強度の検査を行っている。同社では同ホテルのほかに関東、北陸地方で3つのビジネスホテルを経営しているが、構造計算を担当したのは別の事務所であることも公表。マンション建設はすべて自社で設計している―とした。

 窪田社長は「従来、役所が認可したものに不備があるなんて想像したこともなかった。こんなことになって本当に残念だ」と、遺憾の意を表した。同席した長谷川洋二顧問弁護士は、「損害賠償は実際には国や市などに求めていくことになると思う」と述べ、松本市に対しても請求は可能―との考えを示した。
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