木村建設子会社、姉歯に計算書を差し替え?

 耐震強度が偽装された疑いのある北九州市のビジネスホテル「アルクイン黒崎」の当初の構造計算書を、設計を請け負った木村建設熊本県八代市木村盛好社長)の子会社が建築主らに無断で、姉歯事務所のものに差し替えていた疑いが27日、読売新聞の調べで浮上した。

 子会社側は関係者に対し、差し替え理由を「木村建設東京支店の都合だった」と釈明。当初の計算では1・15メートル四方になるはずだった1階の柱が、その後、0・95メートル四方に変更されていた。

 木村建設を巡っては、元東京支店長が、姉歯事務所を個人的な裏金作りに協力させていたと認めている。

 構造計算書を差し替えた疑いがあるのは、木村社長の妻が代表取締役を務めている東京都千代田区の「平成設計」。問題のビジネスホテルの建築主からデザイン設計や構造設計を受注したが、平成設計は昨年6月、「社名を公にしたくない」として、福岡市の1級建築士に建築確認申請の名義人になるよう依頼した。

 この建築士によると、平成設計は昨年7月、下請けの広島県設計事務所が作った構造計算書を添えて、民間検査機関に申請書を提出したが、同9月、姉歯事務所に再計算させた計算書を検査機関に郵送して差し替えていた。これに対し、同10月、建築確認が下りた。

 強度偽装問題が表面化した後に、ビジネスホテルの構造計算書が姉歯事務所によるものとわかり、1級建築士平成設計の担当者を問い詰めたところ、文書の差し替えを認めたという。
(2005年11月28日3時0分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe5500/news/20051128ic01.htm