「ヤマト設計受注、宮崎県議にも頼まれた」前出納長供述

 宮崎県の官製談合事件で、前出納長の江藤隆容疑者(63)が、自民党県議(56)からヤマト設計(本社・東京)の受注に協力するよう頼まれたと供述していることが18日、わかった。今回の事件では、前知事の安藤忠恕(ただひろ)容疑者(65)が同社の受注に便宜を図るように県幹部に指示していたことが判明しており、県警は安藤容疑者を頂点とする官側だけでなく、議会側からも受注工作が繰り広げられていた疑いが強いと判断、県議からの事情聴取を進めている。

 読売新聞の取材に対し、県議は「私は談合のことはわからない」とし、関与を全面的に否定している。

 県警の調べや関係者によると、江藤容疑者は「県議から『ヤマト設計が仕事を取るのに力を貸してやってほしい』と言われた」と供述。同じころ、安藤容疑者からも「ヤマトに仕事を取らせてほしい」と要請されていたため、江藤容疑者は橋梁(きょうりょう)設計業務などの入札で、ヤマト設計が受注できるよう土木部幹部らに指示したという。

 県議は2003年7月の知事選で安藤容疑者が初当選した際の選対本部長。現在は後援会顧問。04年4月から1年間、副議長を務めた。ヤマト設計社長の二本木由文被告(56)とも親交があり、安藤容疑者に二本木被告を紹介したとみられる。

 県警は二本木被告から業務受注の口利きを依頼された県議が、江藤容疑者に対し、受注に向けた働きかけをした疑いが強いとみている。17日の県議会事務局に対する捜索では、この県議に対する旅行命令書などを押収した。

 事情聴取について県議は「談合問題全般について聞かれた。私が談合について状況を知っていると思われたようだ。だが、私はわからない」と話している。
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/ne_06121902.htm