宮崎談合、「8000万円仕事回せ」と出納長指示…部長供述

 宮崎県発注の橋梁(きょうりょう)設計業務を巡る官製談合事件で、県土木部長藤本坦(ひろし)容疑者(59)(競売入札妨害容疑で逮捕)が江藤隆・県出納長(63)から「ヤマト設計に8000万円分の仕事を回せないか」と具体的な落札目標額を挙げて指示されていたことを供述し始めた。県警は土木部などから押収した入札記録を基に、同社が落札した業務の洗い出しを進めるなど、裏付けを急いでいる。

 調べによると、藤本容疑者は昨年11月に県宮崎土木事務所(宮崎市)が発注した県道災害復旧事業の橋梁設計業務について、「出納長から『ヤマトに仕事を取らせてほしい』と指示され、入札に参加させるよう部下に働きかけた」と供述した。さらに、この業務を含めて8000万円分の仕事を回すよう指示を受け、「複数の入札でヤマト設計を指名業者に選定し、8000万円分落札させようと計画した」と話しているという。

 ヤマト設計は2005年4月以降、計11件(総額7421万円)の県発注設計業務を受注している。県警はこの11件を含め、出納長の指示を受けた藤本容疑者の働きかけで、同社が指名業者に入って談合が行われたケースがなかったか調べている。
 藤本容疑者への談合指示について、江藤出納長はこれまで「心当たりがなく、全くわからない」と否定している。
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/ne_06112701.htm