宮崎官製談合、元議員秘書が知事意向を県幹部・業者に伝達

 宮崎県発注の橋梁(きょうりょう)設計業務を巡る官製談合事件で、安藤忠恕(ただひろ)知事の側近とされる元国会議員秘書石川鎮雄容疑者(68)(競売入札妨害容疑で逮捕済み)が、落札業者を決める「県上層部の意向」を官側と業者双方に伝えるなど、知事の周辺で受注調整を行う重要な役割を担っていたことが、県警の調べでわかった。

 県土木部次長、柴岡博明容疑者(58)(同)は、こうした石川容疑者の指示を知事の意向と受け止めていたことを認める供述をしているが、石川容疑者や県土木部長、藤本坦(ひろし)容疑者(59)(同)は知事の関与を否定している模様だ。県警は、今回の談合事件全容解明のカギを握る石川、藤本両容疑者の追及に全力を挙げる。

 調べによると、ヤマト設計(本社・東京)社長、二本木(にほんぎ)由文容疑者(56)(同)は「知事に受注をお願いしたところ、石川容疑者に相談するように言われた」と説明。知事の指示に従って、石川容疑者に連絡したところ、「(石川容疑者は)受注に向けた協力を約束してくれた」と供述しているという。

 一方、今年春まで宮崎土木事務所(宮崎市)の所長だった柴岡容疑者は「石川容疑者から『上の了解は取ってある。ヤマトが仕事を取れるようにして欲しい』と言われた」と供述。「上の了解」は、知事の意向を暗に示されたものと受け止めた柴岡容疑者は、同事務所次長だった黒木勝男容疑者(57)(現道路保全課長)に指示して、同事務所が発注した県道災害復旧事業の橋梁設計業務の入札で、ヤマト設計が落札できるように取りはからったとされる。
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